私たちはずいぶん前から国際分散投資の重要性を説き続けてきた。経済がなかなか成長しない日本に投資するよりは、着実に成長してきた世界経済に投資して、その果実を得ることの方が個人の資産形成には有効だと考えたからである。この考えは今も間違えていないと思うが、このままの日本の現状が今後も続くと考えるとそれでいいのかという思いは拭いきれない。いまは、社会的インフラも上位にあると思うし、お金さえあれば十分に豊かな暮らしを実現できるだろう。しかしそれもいずれは劣化していくし、維持にはそれなりの経済力が必要だ。その上日常買うものもすべて輸入品みたいになったら、そんな国に住み続ける人は減っていくのではないか?人口減少に加えて人口流出まで起きたら、目も当てられない。国全体が過疎化問題に直面することになる。お金がよりよい投資先に流れるのは当然としても、自国がある程度の社会的価値を見いだせる状況にあることは最低限必要なことではないか。そのための対策を打つことは今を生きているものたちの責任である。(令和4年11月30日)