高齢者の方が若年層よりリスクが取れるか。保有資産の大小を考えれば、そういう考えもできるだろうが、投資期間のことを考えればそうとも言えないだろう。これは業界的にはリスク許容度の重要性ということになるが、個人的にはそんなに賛同できない。投資できるかできないかが問題ではなくて、何のために投資するのかが問題のはずである。投資できる人なら何をやってもらってもかまわない、というのが業界標準なのだろうが、それは「損のできる人だから」という認識からきている。しかし理由もなく損をしたら、いくら富裕層でも嫌だろう。リスクとリターンはトレードオフというのが正しいのなら、不必要なリスクは取るべきではない。必要があるからリスクをとるのであって、余裕があるからとっていいのではない。元本を確保するだけでは足りないくらい資産を増やさなければならないと感じているから、いやでも投資をするのである。だからこそ損をしない(する確率の低い)投資を心がけるわけであって、損をしたくないから元本確保というのは本末転倒である。(令和7年6月30日)