新NISAの始まりも、IDECOの改正も、それ自体をとってみれば個人の資産形成に有意義なものであることは疑いがない。しかし裏を返すと、自助努力をした人とそうでない人の格差はより広がることになる。こうした優遇措置の拡大は、従来は公的に行われてきた年金などの福祉の削減につながるからである。そうした意味では、自助努力の重要性の周知のみならず、どうしたらいいのかなどについて広く発信する必要がある。認定アドバイザー制度など積極的に推進していくことが必要だろう。しかしながら、詐欺などの犯罪行為だけでなく、こういう流れを利用しようとする連中が必ず出てくるのも残念な実態で、うまい運営が求められる。こういう業務に携わる人たちには利益相反の禁止をはじめとする顧客本位の精神を徹底することである。事業を通じて自己の利益を上げようなどと考える人たちは徹底して排除すべきであり、そういう仕組みを作らないことである。自己の利益にならなくてもこういう事業に社会的意義を感じて協力する人たちも必ず存在するはずだから。(令和6年12月27日)