投資信託は、その透明性や正確性などのメリットを担保する上で、様々なルールがおかれている。結果として、それらは投信会社の組織や運営を複雑にし、ひいては受益者の負担が増えることにつながる。資産運用立国を目指す立場からすると、現状はやり過ぎのように見えるし、高い参入障壁につながっているようにも見える。この辺の議論は個人としても同意するところは多いが、はたして運用とその他業務をはっきりと分けることは可能なのだろうか?管理する対象は運用業務であり、それを他の第三者が管理できるのだろうか?難しいように思える。責任の所在についてはおいたとしても、おそらく投信会社として投資一任業務のように運用に特化すればいいということにはならないと思う。何らかの管理業務は本体に残ると思うし、中途半端な外部委託はかえってコストの上昇につながる気がする。それよりも、基準価額の二重計算とか、ファンド監査の簡素化とか、やれることから少しずつ管理業務の負荷を減らしていくことだと思う。(平成6年10月31日)