信託報酬の意味

信託報酬は運用管理に関する費用だから、これを一義的に受け取るのは、投信会社と受託会社である。販売会社は投信会社の業務を代行するとして投信会社から信託報酬の一部を受け取っている。類似ファンドによって信託報酬の多寡があるのは、多くの場合この代行手数料の部分の違いではないか。販売手数料が商品内容によって異なるというのは、百歩譲って納得するとしても、代行手数料が異なるというのはどうにも理解できない。投信会社の顧客に対する業務に商品内容の違いによって異なる部分はそんなにないはずだから。代行手数料が高めになっているのは、おそらく、販促費の側面があることは疑いない。それなら、販売手数料を高くすればいいだけである。また直販会社のノーロードファンド(販売手数料無料)の場合、販売にかかる経費はこの信託報酬から捻出されている。これとて、信託報酬を販売手数料込みで設定しているのなら、ノーロードであるといえるのかどうかあやしいとも言える。販売手数料は直接投資家から取るが、信託報酬は払っている認識が薄くなる間接徴収である。このこともこの問題をより複雑にしている。(令和4年3月31日)

変わるものと変わらないもの

「新しい資本主義」なるものの意味はイマイチよくわからないが、従来型の株主利益至上主義の資本主義が変革を余儀なくされていることは疑いがない。SDGs投資やESG投資もそうした流れの中から生まれている。要は社会の課題に応えてこそ、企業の存続に意味があると言うことであり、応えられないような企業は社会から存続が許されなくなると言うことである。当然企業には新たな負担が生じるだろうし、企業から様々なサービスを享受する市民の側もそのコスト負担について認識をしなければならない。日本においては残念ながらまだその認識の共有ができていないのではないだろうか?市民の側がそうした企業を明確に分別して、積極的にその活動を支援していくことが重要なのである。実はESG投資ファンドなどの役割は、その機能を肩代わりすることなのである。そこには短期的な収益の追求ではなく、そうした社会課題に立ち向かっている企業を見つけ出し、その企業活動を受益者とともに応援していくこと、そしてその反射的利益として投資リターンを得ていくことが求められているのではないか。(令和4年2月28日)

自己矛盾

「数ある投信の中から自分に合った投信をプロが選ぶ」というサービスに、投信の販売を手がけている金融機関は矛盾を感じないのだろうか?そもそも自分たちのやっている業務を否定しているとは思わないのだろうか?ファンドラップについては様々な点で違和感を覚える。ここまでして、投信という商品は販売しないといけないのだろうか?ファンドの集約化についてもなかなか進んでいない。もっとほかにやることがあるだろう。安定的な資産形成をするための投資信託であれば、そんなにいろいろな商品を作る必要はないし、そうなれば、顧客も選択に迷わないはずだ。選択肢を広げることがサービスになるのは、自分で選択できる顧客であって、そうでない顧客にとっては邪魔なだけである。そういう状況を自分たちで作ったあげく、選択できない人のためにプロが選択してあげましょうというのは、いくら何でも都合のいい話ではないだろうか?先月の予定分配金のファンドもそうだが、また本筋と違った商品が最近増えてきているような気がする。こんなことで投信が一般に根付くことにつながるとはどうも思えない。(令和4年1月28日)

分配金を売りにするのはやめよう

株式の配当金もそうだが、分配金が出るか出ないかはあくまで運用結果に依存するはずである。それをあらかじめ、保証ではないにしても予想として提示するというのはどういうことだろうか?そこにはなんらかの確実性が必要なはずである。それほど確実でもないのに、そういうしくみを前面に出した商品性というのは、投資運用を目的とした商品と言えるのだろうか?毎期収益が出たから、毎期分配しました(これとても、異なる考え方があるが)で、なんの支障があるのだろうか。もともと分配金の決定は基本的に投信会社の裁量である。収益がでたら分配します、でいいわけで、あらかじめ約束する必要はないのではないか。個人的な意見では、収益がなくても分配できるというルールに問題があると思っていて、ずいぶん前に提言したことがあるが、そのとき歯牙にも掛けられなかったことをよく覚えている。顧客にとって理解しづらいことやメリットにならないことは進んで改善するというのが業界のあり方だと思うが、なかなかそうならないのは歯がゆくてならない。(令和3年12月27日)

何のための費用か?

今回取り上げたファンドで一番納得できないところは、「何のための保証だったのか」である。たとえば保険であれば、何かがあったときにも「通常の生活」を送れるようにする機能であろう。運用における「通常の生活」とは「約束したとおりの運用をすること」であろう。つまり基準価額が下がったからといって、運用内容を変える必要のないようにするための保証のはずである。基準価額が下がって、これ以上の下落を抑えるために運用内容を低リスク運用に変えるのであれば、保証なんてする必要ないのである。「リスクを下げて基準価額が下がらないようにする運用」=「基準価額が上がらないようにする運用」である。基準価額が上がって、もう十分だからリスクを下げる内容に変えるというのならまだしも、基準価額が下がったからするというのでは、これからの回復は望めない。だからこそ、保証料を払って、そういうときにもリスクをとって、基準価額の回復を目指せるようにしてあるのではないのか?こういうファンドをリスク低減型という名の下に、低リスク指向の投資家に販売していたと考えるとやりきれない。(令和3年11月29日)

いいファンドの選び方

どれがいいファンドかという質問には答えようがない。ずっと考えているが、いい答えは見つからない。ほかのファンドよりもいいパフォーマンスをその人の投資期間において挙げるファンドを見つけるというのはほぼ不可能ではないかと思う。運用手法の優劣一つとっても判断は難しい訳で、そういう点では、ファンドの選択の成否の多くの部分が投資対象によってなされるとするなら、コストの低いインデックスファンドを選択すべきと言うことになるのだろう。ただキャリアの多くをこの業界に置いている身としては、その結論を受け入れるのには少し抵抗がある。だから何かいいアイデアはないかと考えるのであるが、残念ながら見つからない。一つ思うこととしては、ファンド単体で善し悪しを比較することは難しいなと、ならば運用会社で比較するしかないかなと思っている。同じ運用会社のファンドでも運用者個人によって成績に違いがあることはわかるが、それは置いたとして、運用会社ならその能力値は比較的把握しやすいのではないか?アクティブファンドに投資しようとするのなら、個々の運用手法よりも、自分にとって魅力を感じる運用会社かどうかで選択するのも一つの選択法かなと感じている。(令和3年10月29日)

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