何のための費用か?
今回取り上げたファンドで一番納得できないところは、「何のための保証だったのか」である。たとえば保険であれば、何かがあったときにも「通常の生活」を送れるようにする機能であろう。運用における「通常の生活」とは「約束したとおりの運用をすること」であろう。つまり基準価額が下がったからといって、運用内容を変える必要のないようにするための保証のはずである。基準価額が下がって、これ以上の下落を抑えるために運用内容を低リスク運用に変えるのであれば、保証なんてする必要ないのである。「リスクを下げて基準価額が下がらないようにする運用」=「基準価額が上がらないようにする運用」である。基準価額が上がって、もう十分だからリスクを下げる内容に変えるというのならまだしも、基準価額が下がったからするというのでは、これからの回復は望めない。だからこそ、保証料を払って、そういうときにもリスクをとって、基準価額の回復を目指せるようにしてあるのではないのか?こういうファンドをリスク低減型という名の下に、低リスク指向の投資家に販売していたと考えるとやりきれない。(令和3年11月29日)