NISAの拡張がまた行われるらしい。その主な対象は高齢者と未成年者とのこと。対象者の拡大自体は何の異論もないが、この一連の流れはどうも国が投資を推進しているように感じられる。国が投資を推進していると明確には言ってはいないが、そう見えることもまた事実だ。しかし、NISA自体はあくまで税制優遇制度であり、制度自体に恩恵があるわけではない。あくまで、投資が成功した場合に得られるメリットなのである。つまりNISAを活用する前提条件としては、投資が成功しなければならない。しかし投資の成功を保証できない以上、国が表向き投資を推進することはできないのは理である。さらにトランプ政権における世界証券市場の動向はあまりにも不透明で、長期・積立・分散の王道手法ですら確実かどうかはわからない。個人的には分散と時間がカギだと思う。先の読めぬ時間を耐えることができるように備えることである。ただ、いつまで耐えればいいのかはわからない。しかし、歴史は耐えることの重要性を明示している。この点で高齢者の投資を否定する気はないが、毎月分配にその意義を見出す気にもなれない。(令和7年4月28日)