長年、顧客向けセミナーをやっていると、今日はやりたくないな~って思うときがたまにある。8月3日の土曜日がそうだった。前日の金曜日に大幅に下がって、その後の先物の指数とか見ていると、月曜日ももう一段下がることが予想できたから。こんな時は出席している人たちも、関心事は短期的な相場の見通しなので、長期投資の話しなんか聞きたくないだろうなと思うとやる気が失せるのである。一応スピーカーたるもの、自分の話したいことと参加者の聞きたいことがマッチしていてほしいと願うから、それに応じた話しもするのだが、得意なテーマではないとあまり話したくないのである。あのときも結果的に月曜日に下げ幅では過去最大の下げとなった。セミナーでは下がっても売ってはいけないというような話をしているが、内心は穏やかではない。ただ最近の調査では、下落時に慌てて売る投資家の割合は減ってきているようである。それでも、関心事のトップは今後の相場見通しだから、盤石とは言えない。8月2日と3日で世の中何が変わったのかと言えば円高になったくらいで、根本的な社会の変化は何もない。だから売る必要はないのである。価格の動きではなく、買った理由の変化が重要なのである。(令和6年8月29日)