資産形成はやって終わりみたいな印象があるが、実はそうではない。たとえば、2500万円の資産があったとしても、なにもせずに毎月10万円ずつ使えば、20年で使い切ってしまう。いつまで生きるかは神のみぞ知るである以上、将来に向けてある程度の見通しを立てておくことは必要で、その金額を資産形成期間だけで実現するというのは意外に難しいかもしれない。となれば、増やしながら使うという作戦をとることになる。はやく資産形成を済ませて投資なんか考えなくてすむようにしたい人には申し訳ないが、勤労収入がなくなってからの長い人生を想定するとそう考えざるを得ない。そしてこの場合の投資スタンスは長期目線でやるしかない。資産形成を長期投資目線でやってきた人はそのまま続ければいい。長期的に成長が見込める対象に投資することである。それをいくつかに分けて分散しておけば、短期的な値動きに思い悩むことも少ないだろう。そして、取り崩すときは、必要な金額を必要なだけ、利益の出ているところから取り崩すことである。下がっているのを取り崩してはいけない。成長する限り、それはいずれ上がるだろうから。(令和6年7月31日)