毎年この時期になると、アドバイス先の運用会社のファンドの運用報告会に参加している。報告の対象となる期間は直前計算期間の1年となるが、常に長期投資を推奨していながら、一年ごとの運用成績の善し悪しを説明していると不思議な気分にとらわれる。投資家に対する責任の一つとして、運用報告会は非常に重要な行事だと理解しているが、一年ごとのパフォーマンスによって、聞いている投資家の心が動くのも感じ取れる。なので僕が必ず最初に言うことは、運用報告は運用会社がファンドの運用方針を誠実に実行しているかの確認の場であり、そこに変化がないのであれば、短期間のパフォーマンスで投資行動を変える必要はないと言うことである。しかし、話しを聞いている投資家だけでなく、話をしている当人ですら、成績の良かった年とそうでなかった年では、声のトーンも変わりがちであることを認めざるを得ない。僕が参加している運用報告のファンドはすでに15年以上のトラックレコードがあるので、それとの比較で直前期の話ができるが、それまでは心の中にある種の矛盾を感じていたことも思い出す。(令和5年2月28日)