長期投資は信じる力が問われる。将来を予測するのは難しい。であるとするなら、相場の変動に影響されずに長期投資し続ける力となるのは、信じる心しかない。その点、インデックスファンドであれば、信じる対象はインデックスであり、わかりやすい。これがアクティブファンドとなると、運用者の能力であり、運用会社の能力になる。特にトラックレコードのないファンドとなると、もはや見えないものを信じる力となる。見えないものをただ信じて長期保有してくださいというのは、非常に難しいお願いである。だから、同種ファンドの運用成績などを参考として表示する例が多いのだが、実際の運用成績とは異なるケースも多いし、そうであればむしろ有害な情報ともなり得る。やはり、運用会社の運用哲学が大事だと思う。この点があまり重要視されてこなかったのは、ファンドを多く作りすぎて、個々のファンドの特長を運用哲学では語れない状況になっているからだ。投信においても運用会社はその運用哲学を丁寧に説明すべきだし、その運用哲学から外れる運用をするようなファンドは作ってはならない。(令和5年3月31日)