日本の投信の数が多いと言うことであるが、それはその時々の売りやすいファンドを売りたがるという販売会社の姿勢に一因があることは当然ではあるが、投資家サイドの投資に対する考え方にも問題があると思う。それは「短期間で上がるものに投資したい」という考え方である。そのこと自体は間違っていない。短期間に上がるものに投資したいのは誰でも同じである。しかし、「短期間に上がるものは」そう簡単にわからないし、理由なく上がるものは、理由なく下がるものである。そして理由が明確なものはもうすでに価格に織り込まれているはずである。つまりこういう投資家は、投資ではなくて、投機しているのである。投機なら外れる確率は2分の1。外れて文句を言う筋合いではない。今のこの業界の問題点は、投資のつもりで投機してしまっているということである。販売会社もそういう投資家の誤解を利用しているから、たとえ悪意がなかったとしてもあとあとトラブルになる。しかし投資である以上、「いつまでも誤解している投資家が悪い」では済まされないのである。(令和5年8月28日)