資産運用業が認可制から登録制になって久しいが、参入障壁の高さという観点では、そんなに変わらないように思える。興味のある方は、登録要件を見てもらえればいいが、要件の主眼は運用力の高低ではない。運用会社としての事務能力やガバナンス能力なのである。しかも、企業規模は考慮されない。10人の会社と100人の会社では自ずと「できること」に差があるはずなのに、である。これでは、新規参入したくても簡単にはできない。有能な運用者が一人でも資産運用業の登録ができるようになるためには、これらの業務を外部委託できる環境が必要である。運用者しかいなければ、適正な業務の確保という観点からすれば、この外部委託先をしっかり監督すれば十分に可能ではないかと思える。あとは、どんなに優れた運用商品でもそれを販売してくれる人がいないとしょうがない。そのためには、プラットフォームとしての販売会社の存在と、投資家が商品の善し悪しを見分けることができるための評価会社をセットにすることができれば、今起きている勧誘に伴うトラブルなども解消するのではないか。(令和5年12月26日)